人口減少の絶滅危惧民族、日本人はみんな同じ苗字に
40歳半ばで、おばあちゃん
身内に不幸があったので、久しぶりに親戚が集まることになった。
ポン吉はいとこの中では一番年上なのだが、ポン吉より若いいとこが子供の七五三のお宮参りの写真を見せてくれた。
そのいとこは40代半ばだったが、3歳児のお母さんにしては少し高齢のように思っていると、
写真の子供を指差して「孫の〇〇ちゃん!」と言ってきた。
話を聞いていると、そのいとこは3人の子供を生んですでに3人の孫がいるらしい。
少子高齢化
ポン吉一族の現存する人たちを、ポン吉の親世代、ポン吉世代、子供世代以降と3世代に分けてグラフ化するときれいなピラミッド型になる。
しかしこれは珍しいことではないのだろうか。
少子化が進んで、1人の女性が生む子供の数も約1.3人らしい。
そう聞くと、一人っ子が多いようにイメージしてしまうが、ポン吉の周囲では少し違う。
たしかに未婚の人や子供のいない夫婦はよく見かける。
しかし、ポン吉の子供たちの同級生を見ていると、一人っ子より兄弟や姉妹がいる子供のほうが多いように見うけられる。
もちろん以前より一人っ子は増えてはいる。
つまり子供を持たない大人と子供がいる大人の二極化が進んでいるように思う。
一族の人数が逆三角形の人が急激に増えて、ポン吉一族のように昔ながらのピラミッド型になる人たちを圧倒しているということだろう。
苗字の数が激減
日本はあと50年ほどで人口が8000万人になるそうだ。
人口が現在の3分の2になる。
ということは、新しく作ることができない苗字も、激減するはずだ。
そもそも夫婦同姓の日本では男性と女性が結婚した段階で、苗字の数は半分になっている。
そして出生率が1.3人ということは、その夫婦の次の世代でまたもや半減することになる。
子供のいない夫婦や独身者の姓は自然消滅し、逆に子供が多い家族だとその苗字を使う人が増えることになる。
結果として子沢山の家族の苗字が生き残ることになる。
苗字では人を区別できない
すると同じ苗字の人の割合が高くなるので、学校や仕事場でも人を呼ぶ時、混乱を防ぐために苗字で呼ぶのではなくファーストネームで呼ぶようになるはず。
会社で上司からファーストネームで呼ばれるのは、現時点だと非常に抵抗を感じる。
とくに男性の上司が女性の部下をファーストネームで呼んでいるのを想像すると少し変な気がする。
昔の芸能人は芸名の人が多かったけれど、現在は本名の人が多い。
しかし、本名だと苗字が同じ人ばっかりになるので、芸名を使う人が増えることになる。
これはスポーツ選手にも言える。選手紹介が全員同じ苗字の場合もあるので、リングネームのようなオリジナルの名前も今より増えるにちがいない。
「鈴木一朗」選手は姓も名も非常にポピュラーでたくさんいるから、「イチロー」というふうにしたのだろうか。
労働人口の半減
人口が8000万人と言ってもピンとこないが、20代から50代に関しては人口が今の半分ほどになるらしい。
働く人が今の半分だから、満員電車で人と人が触れ合うようなことはなくなる。
それどころか、現在の飛行機のように座って乗るのが当たり前となり、電車に立って乗車していたというのは昔話になるかも。
交通渋滞という言葉も使われなくなり「渋滞」という漢字を読める人も少なくなっているはず。
そして8000万人なってから50年後には4000万人になっているらしい。
人口減少のスピードは時間とともに加速していく。
今からおよそ100年後には日本人は現在の3分の1しか残っていない、
まさに絶滅危惧民族だ。
結局
ここまでくると日本人というくくりも変化しているだろうし、日本に4000万人しか人が住んでいないということではないはず。おそらく移民政策も変化して、今よりも外国人が日本国籍を取るハードルは低くなっていると思われる。
それにポン吉のいとこのように30年足らずで倍以上に増える家族もいるのだから、人口減少も都市伝説になる日がくるかもしれない。
ただし、苗字は減り続けて、いずれはみんな同じ苗字になってしまう。
最後の苗字はいったい何と言う苗字だろう。