ネイティブアメリカンは独立記念日を祝わない、光と影
物事の光と影
外国人と共に生活をすると、ものの見方や考える視点が180度違うことがあることに気付かされる。
打ち上げ花火を見ていると、ポン吉家にステイしているアメリカ人2人が「今日は何か特別な日ですか?」と聞いてきた。
その花火は観光用のものなので、歴史的意味はないと思うと答えた。
ポン吉はすぐにアメリカ中で花火が打ち上げられる日を思い出したので彼らに言った、
「アメリカでは独立記念日を祝って花火を打ち上げるよね。」
すると彼らはポン吉に苦笑いしながら、独立記念日に関していろいろ説明してくれた。
彼らが言うには、
独立記念日を祝うのは、アメリカを征服した人たちであって、アメリカに元々住んでいたネイティブアメリカンにとってはヨーロッパからやって来た人たちに自分たちの土地が完全に制服されてしまった日である、とのことだった。
ポン吉はアメリカにいた頃、アメリカの独立記念日の花火を見て単純に喜んでいた。
しかし、その花火を見て自分たちの土地が完全に奪い取られた日を想起する人たちもいるということに驚かされた。
そういえば、日本と韓国の間でも同じようなことがあったように思う。
日韓併合だ。
昭和生まれのポン吉にとって伊藤博文という人物は1000円札の人として小さい頃から知っていたし、お札の顔になるくらいだから立派な人物なんだろうと思っていた。
しかし、韓国の人からすれば、韓国を強制的に日本に併合したひどい人物として考えられているという話を聞いたことがある。
物事に光と影の両面があることに気付くのは本当に難しいと思う。
多様性は重要
あるご老人から聞いた話を思い出した。
そのご老人は今から数十年前に、駐日イギリス人に日本のテレビコーマーシャルで不可解なことを言っているものがあるけど、日本人は誰もおかしいと思わないのかと尋ねられたそうだ。
そのCMは子供たちが拍子木を打ちながら「戸締り用心、火の用心」と言って、最後は1人のおじいさんの周りにみんなが集まって「世界は一家、人類はみな兄弟」と、おじいさんと一緒になって言っている。
駐日イギリス人は「もし世界は一家で人類はみんな兄弟だったら、戸締りの必要はないじゃないか」と言ったそうだ。
つまりそのCMはどちらかが建前で、どちらかが本音であり、物事の裏と表を同時に訴えている奇妙なCMなのに、日本人は誰もそのことを変だと思わないことが変だというのだ。
そのCMはポン吉も覚えているが、そのような違和感を感じたことはなかった。
しかし、その話を聞くとたしかに変だとも思える。
物事には光と影の両面があるのだろうけれど、ほとんど単一民族国家ある日本ではそのことを忘れてしまう、というより気づかない。
ホストファミリーとして外国人を受け入れることで、物事の見方を勉強させられた。
多様性は重要であると思う。
これもまた異文化交流の大切さの一つであると実感させてもらった。