飲食用には水道水を使わないのが常識
スポーツドリンク
以前、子供の部活に保護者が当番で差し入れをするというのがあった。
差し入れと言ってもペットボトルに入ったスポーツドリンクを持って行くだけだった。
いつもはそれだけだったので、あとは子供の練習や試合を見物しているだけだった。
しかしある時、ポン吉がスポーツドリンクを持って行くと保護者らしきお母さんが困った顔をしていた。
ポン吉がいつものように組み立て式のテーブルの上にスポーツドリンクのペットボトルを置くと、そこには既に粉末製のスポーツドリンクの素があった。
すると先ほどのお母さんがポン吉に少し戸惑いながら話しかけてきた。
平日に当番ができる保護者はほとんどが女性で、男性のポン吉は珍しい存在だったので話しにくかったようだ。
「この粉末のスポーツドリンクの素はどうしたら良いですかね。」と聞いてきたので、ポン吉はジャグがあるのであれで粉末を使ってスポーツドリンクを作ろうと言った。
空になったジャグもあるしグランドには水道もあるし、何も困ることはないと思っていた。
しかし、しばらくすると他にもお母さんがやってきた。するとその人もまた困った顔をしていた。
そして何やら女同士で相談していた。
彼女たちが困っていたのは、この近くにはコンビニがなくて車で行かないといけないからどうしようということだった。
ポン吉はまだ話がよく理解できていなかった。どうしてコンビニに行く必要があるのかわからなかった。
しかし、彼女たちは水を買いに行かないといけないと言うのだ。
水道水は飲食用じゃない
どうやら彼女たちは水道水を飲食用に使用していないようだった。
ポン吉の家では水道水で炊飯もするしお茶やコーヒーもいれる。一応、蛇口にフィルターが内蔵されているので、気休め程度に浄化はされているはず。
ところがそのお母さんたちは、水道水で粉末を溶いてスポーツドリンクを作ることにかなり抵抗感があったようで、ポン吉が水道水でいいのではと言うと驚くような顔つきになった。
そもそもピッチの脇に置いてある水筒の中身は水道水なんだからと、ポン吉が話すとそれにも驚いていた。
もしかして、あの水筒にもエビアンとかボルヴィックなどの水を買ってきて入れてると思っていたのだろうか。
とにかくお母さんたちの心配はよそにおいて、ジャグに粉末と水道水を入れてスポーツドリンクを作った。
きっと後で、お母さんたちの間ではポン吉のやったことは問題視されていたかもしれない。
もしポン吉が女だったら、ママ友から外されていたかもしれない。
幸いなことにポン吉は専業主夫の男なので、そもそもママ友の輪の外だし、LINEも未だにアカウントを持っていないのでこれといって問題はなかった。
時代の流れには逆らえないのか
アメリカに住んでいる時は確かに、水道水は料理や飲料用としては使用していなかったけれども、日本の水道水は料理や飲料用に十分に使えると思うし、そうしてきた。
しかし、いまやもう飲料水は水道水ではダメな時代になってしまったのだろうか。
そんな話をポン吉が奥さんにしていた時に、
奥さんが飲んでいたのはFijiというミネラルウォーターだった。
我が家にも時代の流れが押し寄せてきているということを実感させられた。