ソラシドエアで長崎くんち
長崎の友人に会いに行こうと思ったのは3ヶ月以上前だった。
どうせ長崎に遊びに来るなら、くんちを見においでと言われたので、10月の7日に長崎に行って8日の午前中にくんちを見ることにした。
くんちは毎年10月7・8・9日に開催される。
今年はちょうど土日祝日の3連休と重なった。
長崎での宿泊先はどこもくんちの時期は予約で一杯だったが、友人に頼んで宿泊先を確保してもらったので助かった。
ソラシドエアのオーバーブッキング
飛行機も割引料金では、なかなか空席がなかった。
それどころか正規料金でも空席が残りわずかだった。
ソラシドエアという今まで乗ったことのない航空会社に1席だけ空席があったので確保した。
初めての航空会社だったので、空港には早目に着くようにした。
ソラシドエアの搭乗口付近で待っていると、ソラシドエアのポン吉が搭乗する便に関するアナウンスが流れた。
それによると、
搭乗便はオーバーブッキングしているので、搭乗予定のお客様の中で同日夜の便に振り替えていただける方はいらっしゃりませんか、というものだった。
ポン吉は夕方までには長崎に着いて友人と夕飯を一緒に食べる約束をしていたので、搭乗便を後の便に振り替えることは無理だった。
しかし、ソラシドエアの地上係員の最後の一言はポン吉に動揺を与えた。
それは
「搭乗便の振り替えにご協力いただいたお客様には謝礼として1万円を支払います」
というアナウンスだった。
もちろんポン吉は振り替えに協力する訳にはいかなかったが、そのアナウンスがあってから5分後には、地上係員が「先ほどの搭乗便の振り替えのご協力まことにありがとうございました」と言っていた。協力者が多数いてオーバーブッキングは解消されたようだった。
長崎空港は、くんちモード
ポン吉は予定通りソラシドエアで、明るいうちに長崎に着いた。
今年の長崎くんちの演し物には龍踊はないはずだったが、長崎空港に着くと何故か龍が玉を追いかけているのを見ることができた。
聞くと、長崎大学の学生さんたちがやっていて、本来の踊町の演し物とは関係が無いようだった。
7年に1度の当番制
長崎くんちは毎年同じ演し物が見れる訳ではない。
長崎市内の町を7つの組に分けて、その組の中の町が演し物を披露する。その町のことを踊町と呼ぶそうだ。
だから、長崎くんちの演し物を全て見るには7年かかることになる。
そして今年の踊町の演し物に龍踊はなかった。
まだ午後5時になっていなかったが、さっそく友人の行きつけの魚の美味しいお店でお酒を飲みながら夕食を共にした。
結局、8日の午前3時ころまで飲んでしまった。
くんちは朝8時からだったので、ホテルに戻ってシャワーを浴びて3時間ほど眠ることができた。
独特の掛け声
翌朝、友人とくんちの会場に向かうと、そこでは既に観覧客たちの掛け声の練習が始まっていた。
ポン吉は長崎くんちを見るのは2度めだったので、掛け声はだいたいわかっていた。
ちなみに、
演し物へのアンコールの意味で使われるのは「モッテコーイ、モッテコイ」
いいぞ、やったなどの意味で使われるのは「ヨイヤー」
他にもいくつかあるが、この二つはくんちを見る際には必須の掛け声になる。
観覧客たちが大声で掛け声をかけることで演者も会場もヒートアップして大いに盛り上がっていく。
お土産に良い、まきもの
どこの踊町も必ずお披露目の最初のほうで、観客席に向かって手ぬぐいを投げてくれる。
この手ぬぐいことを「まきもの」と呼ぶそうで縁起物なので観客たちもできるだけ手に入れようとする。
ポン吉は一番前の席だったので、ほとんどの踊町の手ぬぐいをゲットできた。
この手ぬぐいは各踊町のオリジナルの図柄で、投げられたものをゲットできなくても会場の外で販売されているので、くんちのお土産にちょうど良い。
長崎くんちは会場以外でも演し物を見ることができる。
長崎市内を歩いていれば必ずどこかで踊町を見かけることになるはずだ。
会場でのお披露目が終わった踊町は長崎市内の所々で、福のお裾分けとしてお店や家の前にやってくる。
だからそれを見ようとする人たちで人だかりができるので、踊町がどこにいるかはすぐにわかる。
店先や家の前にチョークで何か印のようなものが書かれているのを必ず見かけるが、それは踊町が参上した証らしい。
ポン吉はまだ2回しか長崎くんちを見ていないので、すべての踊町の演し物を見るにはあと5回見ないといけない。
ポン吉の友人も踊町になった際には出演しているので、次はぜひその回を見に行くことができればと考えている。
そのためにも、早速こつこつとお祭り貯金でも始めようと思う。
長崎くんち、楽しませてもらえました。長崎の皆さんありがとうございます。